しなやかな体軸とは、
体幹を貫く軸のことです。骨盤の上に体幹(胴体)が乗り骨盤が安定していると体幹とその軸は安定してスラリと伸びて行きます。この体軸の「スラリ感」が見た目年齢に直結するのです。
「目次」
1体軸の歪みはシャツのシワに
シャツのシワ=姿勢の方向です。
シャツのシワが左右均等か。対角線の方向に均等にシワが入っているかなどを見ましょう。
下の女性はウエストのくびれにそって布地が優しく寄り添っています。体軸の「スラリ感」がなせる技です。(撮影時にセーターを整えるなどは一切行っておりません)
注目はシャツのシワ。
ウエストが引き締まり、体軸がまっすぐな人はシャツのシワも均等なのです。そして背中のシワは縦シワが望ましいです。
2体軸は見た目年齢に直結
2-1 姿勢がまっすぐに見えるから。
- 正面(後ろ)から見てまっすぐ貫くライン。
- 横から見て耳〜肩(肩峰)〜股関節(大転子)ヒザ〜土踏まずを結んだライン。
- 立っているときは股関節(大転子)でバランスをとります。立って赤丸の部分に手を添えて体を左右に動かしてみると実感できます。
2-2 立つ、歩く、座る。様々なシーンで美しい。
共通している事は骨盤に重心がある事です。これによって体幹は安定し体軸(体幹を貫く軸)もブレずにしなやかに伸びます。
82歳で正しい体軸を取り戻した女性です。さらにウエストもくびれています。究極の見た目年齢マイナスですね。
3体軸が歪んでいく理由
3-1 子どもの成長で考えると分かりやすいです。
子どもはみな良い姿勢です。筋力もバランス感覚も乏しく、体軸まっすぐの正しい姿勢で立たないと倒れるからです。
しかし子どもはみな良い姿勢なのに、大人になると身体は歪んでいくのでしょうか?
3-2 子どもから大人へと、成長とともに体軸が歪む原因。
親の姿勢が悪い、正しい姿勢に対する意識が低い。
子どもは、親や周りの大人を真似て育ちます。周りの人の姿勢が悪い、意識が低ければそれが当たり前になってしまいます。
生活習慣や仕事、趣味、スポーツなどの特有の身体の使い方。
左右非対称のスポーツや、趣味、仕事特有の身体の使い方によって起こる姿勢の乱れ。ストレッチなどで左右のバランスをとり、翌日に疲労を残さないようにすれば防げますが現実は難しいですね。
心の持ち方、ネガティブ思考。
最近はこれが多いのでは。ネガティブになって攻撃的になったり、自信がなくなると人は前傾姿勢になります。この前傾姿勢が体軸を歪ませます。
運動不足、筋力、体力の衰え、特に背筋群の衰え。
背中や太ももの全面、すねの筋肉はカラダが倒れないようにバランスの微調整を行なってくれます。(抗重力筋)これらは重力に対抗するために衰えやすい筋肉でもあります。若さを保つうえでとても重要です。
事故 内臓疾患。
乳幼児期側弯症、成人性側彎、リウマチに伴う破壊性脊椎症など内臓疾患。また事故による骨格の破損。椎間板ヘルニアなどの重度の腰痛の痛みを避けるために起こる姿勢の変化などです。
下を向く習慣、頭の位置は体軸に重要です。
重たい頭を支えるには体軸の上に載せた方が楽です。しかし頭の位置が動くと頭を支えるために別の部分が頑張り始めます。
するとその部分をかばうように別の部分にも負荷がかかっていきます。連鎖的に崩れそうな積み木のようになっていきます。
4体軸の歪み矯正のポイント
4-1 体軸の上に頭を乗せる習慣を。
人間の頭は重く体重の7〜10%程度の重さがあります。さらに人間の脳は前頭葉が発達しおでこが発達し頭は前寄り重心なのです。
いつも下を向いてると体軸は歪んでしまい、身体のあちこちに要らぬ負担をかけてしまいます。
日頃から仙骨を立てて座る習慣をつける事です。またスマホを操作するときも首から折れ曲がる姿勢にも注意しましょう。
体軸のために直角座り。
仙骨を立てて座る習慣のために直角座りを行いましょう。壁沿に座って腰や足首を直角にします。膝もピンと伸ばして直線です。
4-2 骨盤力を回復させる。
足腰に全く力が入ってなく腰砕け状態。これでは体軸を支える骨盤は不安定です。
骨盤力の矯正ポイントの一例
重心位置に気を配る事です。重心は腰です。重心が腰よりも上になってしまうと腰高となって不安定な姿勢となり骨盤力も低下しますし体軸の歪みにもつながります。
重心が腰にある例。下の写真右は腰に重心があるの感じが滲み出ています。
4-3 骨盤、仙腸関節周辺を動かす。
仙腸関節。
仙腸関節は体重を支え上下から掛かる力を吸収〜左右の股関節に流している機能があります。
体重を支える。左右に流す。この異なる能力を仙腸関節は滑液に浮いた状態の関節面と下方の関節面で行います。わずかしか動かない関節なのに奥が深いですね。
しかし仙腸関節部分は固くなりやすい部分(体重がかかっているから)定期的にメンテナンスが必要な部分です。一番の方法は骨盤を動かす事です。
仙腸関節と骨盤のメンテナンス。骨盤を4方向に動かしましょう。
- 骨盤の前傾 > 股関節を軸にお尻を後ろに突き出します。
- 骨盤の後傾 > 股関節を軸にお腹を引っ込めたりします。
- 骨盤の側方傾斜 > 膝を曲げないで歩く真似をします。骨盤の片側だけを持ち上げましょう。
- 骨盤の水平回旋 > 肩甲骨も膝も動かさずに(膝をピンと伸ばして)骨盤だけを水平方向の前後に動かします。
4-4 股関節を全方向に動かす。
立っている時は股関節でバランスをとっているものです。
直立の姿勢で立ったり歩いたり、走ったり踊ったりと複雑な動きを行う起点となるのか股関節。その複雑な動きを可能にするためにも股関節は人体最大の可動域を持っています。
そのような働き者の股関節。動く方向は6方向です。それぞれの方向に動かして股関節の可動域を滑らかにしておきましょう。
4-5 足と土踏まずを柔軟に。
足元がしっかりとグリップしつつ余分なエネルギーは分散してくれてこそ体幹は安定してくれます。そのためにも足のメンテナンスは重要です。
足の指
地面とのグリップの役目があります。このグリップがあるからこそ安心して立つ事が出来ます。
土踏まず
天然のバネみたいなもので、体重をここで最終的に分散させています。扁平足が疲れる理由はこれです。土踏まずは体重を分散させつつ、下からの突き上げるような力(反力)にも対応しています。
踵
歩くときに最初に地面に着地する部分ですが一瞬遅れて土踏まずに重心が移動します。踵 > 土踏まずの移動は一瞬の出来事でほとんど同時タイミングと言っても良いほどです。
しかし踵だけで着地していると地面から返ってくる反力を不自然な形で吸収する事になります。踵に角質がつきやすい方は角質で反力をガードしている可能性はあると思います。
土踏まずをほぐすにはこれ。足の裏でゴロゴロ転がそう! 百円ショップで売っています。
ここを歩くのが一番効果的かもです。この上を平気で歩ける方は体温も高い傾向があります。体温が高いと免疫力が上がると言いますし興味深いですね。
5動きの中で体軸の歪み矯正
ここまで体軸の歪みを整えるポイントを5つ解説してきましたがそれだけでは不十分です。
体軸は動くからです。
人間はじっとしていてもどこかしら動いているものです。身体が動けば体軸の重心位置も動きます。そのときの対処方法をカラダは本能的に身につけています。
動くことも考慮に入れて次からは体幹トレーニングをご紹介します。
5-1 抗重力筋のトレーニング。
重力に対抗して立っている。カラダは揺れ動きます。動いた重心の位置を元に戻そうと太腿、スネなどの筋肉が微妙に働いてくれています。このおかげで倒れる事なく立っていられます。これを抗重力筋と言います。
抗重力筋がよく働くのは意外にもスネ。ここをエクササイズしましょう。
5-2 バランス感覚のトレーニング。
バランスをとるためにインナーマッスルは活発に働いて、柔軟性と瞬発力アップの効果が期待できます。インナーマッスルは別名若返りの筋肉。
バランスボール。座ってゴロゴロしているだけでも効果あり。
集中力も上がります。弊社主催のセミナーにて
5-3 体軸の正しい使い方。
腰から動いて肩がついてくる、手が最後についてくるを練習しましょう。この動きは体幹の正しい使い方の基本中の基本です。
5-4 対角線に動く。
下丹田を中心に動くことを習慣化します。指先が対角線側の脚の真ん中に来るようにすると下丹田を中心に対角線で動くことができます。
体軸と見た目年齢。まとめ
おぎゃあ!と赤ちゃんが生まれて、そこからの人生は重力とお付き合いする人生です。首がすわり、寝返りが打てるようになり、はいはいし立っちが出来るようになる。
やがて成人しまっすぐに伸びたカラダは若々しさの象徴。やがて年をとり重力に対抗できる力が衰えてきて、背筋が伸びなくなる。階段が辛くなる。
しかし、これらを私たちはしなやかに乗り切る能力を備えています。しなやかな体軸などがそれです。重力といかに付き合うかはしなやかな体軸があってこそ。見た目年齢にとっても大切なことなのでしょう。
骨盤力「公式」ガイド監修
骨盤力スクール(東京,札幌,福岡)最高責任者 / 松乃わなり