1体幹とは?
「これが体幹だ!」という定義はありません。
胴体全体を体幹とも言いますし、腹腔のことを体幹と言う場合もあります。
- 胴体 > 手足と首がついている。胴体は胸、腹、腰の3エリアに分ける事ができます。
- 腹腔 > 横隔膜、骨盤底筋群、腸腰筋、腹横筋で囲まれた空間です。
ちなみに私たちのご先祖様が体幹を手に入れるきっかけは2億5千万年前で、そこから1億年かけて体幹(腹腔)を手に入れたと言われています。そしてこの進化が哺乳類への進化につながるのだから生命とはすごいですね。詳しくは体幹はこうやって生まれた!横隔膜の誕生〜腹式呼吸への1億年の物語>>>
体幹の役目は主に3つ。
- 内臓を収める。
- 手足を動かす補助と土台として肩甲骨と骨盤を収める。
- 頭を首でつなげるため。(なぜ首を介して頭があるのかは研究している最中です。)
体幹(胴体)は胸、腹、腰の3エリアに分ける事ができます。胴体の内部には各種の内臓と動くための補助パーツである肩甲骨と骨盤があります。
- 肩甲骨 > 腕を動かす補助機能があります。例えば腕を真上に挙げるときは1/3が肩甲骨、2/3の動きが腕の関節の動きとなります。
- 骨盤 > 脚を動かす補助としての機能があります。
体幹は胸、腹、腰の3つのエリアで分けられます。
胸は肋骨で中身を守っています。腹は筋肉で中身を守っています。腰は骨盤で中身を守っています。お腹に骨が無がなくて筋肉で中身を守る理由としては2つ考えられます。
- 横隔膜を使って呼吸するためと、
- 食後と妊娠時にお腹を膨らませたいから。
お腹が膨らまなかったら食べたものが上に積み上がり「オエっ!」てなります。着物の着付けでは直後に食事をする場合は着付け方を変えるように、食後はお腹を横に膨らませたいために筋肉で守っています。
お腹は満腹時は横に広がり、空腹時は縦に伸びる。これがウエストのくびれを作る原動力になります。空腹時にお腹が縦に伸びるのはバイアスをかけた立ち方がもっともよく働きます。下のイラストはそのイメージです。骨盤から体幹を経て頭につながるV字型のテンションがウエストのくびれを作ります。詳しくはウエストのくびれを矯正する方法を教えてください。>>>
2体幹は不安定!
なぜ体幹が不安定なのか?意外な悪影響とその理由。
体幹の正しい状態とはこのイラストです。
- 上半身は風に揺れる枝葉のように肩の力が抜けるなどリラックスしていること。
- 足腰は根っこのように引き締まっていることです。
骨盤力の応用 > 足腰に力が入らない。
姿勢が悪い、不調を抱えている、心配事がある、ストレスがあるなどでは必ずと言って良いほどイラスト左になっています。そしてこれは動画のように足腰に力が入らないことで確認出来ます。動画。
人間の体幹は微妙なバランスで成り立っています。そしてそれはちょっとした事(体調、ストレス、加齢など)で簡単にバランスを崩してしまいます。影響が大きいものは頭の位置です。
体幹は不安定。なぜなら頭が一番上にあるから。
頭は重さが体重の7〜10%はありその重たい頭が一番上にあります。もっとも重たいものが一番上にある。これは建築の世界ではあり得ない事です。なぜなら揺れにも弱くなるからです。東京タワーも民家もてっぺんを軽く作ります。しかし人間は頭が重たい・・・体幹は不安定なのです。
体幹は不安定だから、頭の位置が重要です。
重たい頭が一番上にある事で体幹は不安定になりやすい、だからこそ頭の位置は重要です。頭を下げてしまうと腰の位置にあるべき重心が肩甲骨付近に移動し、骨盤が緩み腹腔(横隔膜、骨盤底筋群、腸腰筋、腹横筋で囲まれた空間、つまりお腹)が圧迫されます。これをへっぴり腰と言います。
スポーツでも武道でも日本舞踊でも、ダンスでも、モデルウオークでも重心は腰の位置にある事が基本中の基本です。
体幹は不安定だから骨盤の角度も重要です。
骨盤が後傾すると猫背になりますし、前傾すると反り腰になってしまいます。頭の位置も狂いますから体幹はますます不安定なります。
正しい骨盤の角度の見つけ方は簡単です。
壁に沿って立ち、頭、背中、お尻、かかとを壁につけます。次に腰と壁の隙間を手のひら0.5枚〜1.5枚の幅を目安に骨盤を前後に傾けて一番しっくりくるポジションを見つけます。骨盤の前傾後傾の角度は姿勢を決めるので重要です。
座っている時も。
仙骨を立てて(坐骨が座面にあたる)座りましょう。さらに体軸と頭を一直線にしましょう。頭は重たいのでここはポイントです。
体育座りでも。
これも仙骨を立てて(坐骨が座面にあたる)座りましょう。
座っているときも、正しい骨盤の角度の見つけ方は簡単です。
イスに座り、身体を揺らしてみるとお尻の骨が椅子にあたります。坐骨(坐骨結節)です。(イラストの一番下の部分)坐骨が椅子に一番当たるように角度を調整してみてください、ここが正しい骨盤の位置で楽に背筋が伸びます。これがベストな角度です。
足元が不安定でも体幹はバランスを崩します。
足元が不安定で転ぶのが怖いために肩をすくめ前傾姿勢になります。頭の重さも手伝って重心が腰よりも上がり骨盤は開いてしまいます。骨盤力ではこれをスケート初心者現象と呼んでいます。スケートほど極端ではありませんが、雨で濡れた道を歩く。合わない靴で歩く。浮き指などでも同じような現象が起こります。
体幹が不安定、足音にも現れます。
腹腔を構成し、脚を持ち上げる時に使う腸腰筋が正しく使えてないために、足音が「カコ〜ン」「カコ〜ン」と派手に鳴ります。体にはあまり良くないかと・・・
3体幹と重力
私たちは地球上で暮らす限り必ず重力の影響を受けています。
その力は巨大で矯正のときも重力は無視できません。
1G。つまり体重50kgの方は50kgの荷重を常に受けています。(だから体重計に乗ると50kg分が凹み表示されます)無重力の宇宙では宇宙飛行士の身長は2〜3センチは伸びるそうです。重力によって押さえられていた背骨(椎骨)の間隔が数ミリづつ広がるからです。
当然のように体幹にも重力はしっかりと1Gがかかっています。
それほどの影響を重力から受けているわけで身体を整える時には重力のことを考慮に入れる事は必須中の必須です。立っているとき、寝ているとき(上向き寝、横向き寝、うつ伏せ寝)で重力のかかる方向はガラリと変化します。
骨盤力の応用>重力と骨盤力
重力の実験。重力を使って猫背を治す。O脚矯正が簡単になります。
体幹とは(後編)>>>
骨盤力「公式」ガイド監修
骨盤力スクール(東京,札幌,福岡)最高責任者 / 松乃わなり