骨盤と骨盤力

骨盤力

実は骨盤、不安定なのです。

骨盤は体幹を支える土台で大変ですが、その割には2つの関節だけでしか支えられていません。(腰仙関節と股関節)さらに骨盤にある股関節は「引き締まる」と「自在に動く」の相反する事を求められます。そのため骨盤は不安定とも言えこれが骨盤力の低下にも繋がっていると考えられます。

「目次」

  1. 骨盤と骨盤力の関係
  2. 骨盤の特徴
  3. 骨盤を細かく見てみましょう
  4. 股関節の6方向の動き
  5. 骨盤力の応用で股関節と骨盤を動かす
  6. 骨盤と骨盤力。まとめ

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1骨盤と骨盤力の関係

1-1 骨盤がキュッと締まって姿勢の土台が安定している事を「骨盤力がある」と呼んでいます。

人間の正しい姿の基本は植物と同じで上半身は肩の力が抜けてリラックス、足腰はキュッと引き締まっている事です。下イラスト。

骨盤力と植物

しかし人間は植物と違って以下の点で骨盤の引き締まりが緩みやすい(骨盤力が低下していると呼んでいます)ものです。

1-2 骨盤力が低下しやすい理由。

(1) 根っこが歩く。

上のイラストのように骨盤は木の根っこのように引き締まっている事です。しかし植物の根っこと違うのは、人間は歩いたり座ったりと動くのです。その動きの起点となるのが骨盤にある股関節です。

つまり股関節はビシッと引き締まる事と自由に動ける事の2つの相反する事を両立しているとも言えます。

その相反する事を両立するために股関節には工夫があります。股関節の骨頭部分の角度によって骨頭が骨盤の窪みに深くはまり込んでロックする構造になっています。

しかしこの仕組みは膝の角度や足首の角度が正しくないと機能しなくなります。その結果、股関節の動きに問題(多くは股関節の動きの範囲が狭くなる)が出てしまい骨盤力も低下します。

(2) 頭が一番上にある。

重たい頭が上にある事でちょっとした姿勢の変化で重心が腰高になってしまいます。骨盤と体幹をつなぐ部分は背骨と仙骨の間の腰仙関節だけです。

その他は筋肉と靭帯だけで支えられていて不安定になりやすいとも言えます。そのためにちょっとした重心の変化で骨盤は開いてしまい骨盤力は低下します。

重心が腰高で骨盤が開いている

(3) 体幹の使い方が正しくない。

(1)や(2)の理由とも絡みますが体幹の使い方が正しくないと骨盤よりも重心が上がったり、股関節の角度に変化がついてしまい動きのパフォーマンスは落ち骨盤力は低下します。

体幹の正しい動かし方は腰から動いて腕が後からついてくることが大切です。この動き方では体幹の土台である骨盤は安定し結果として骨盤力も安定して足腰に力が発揮出来ます。

体幹の正しい動き方

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2骨盤の特徴

2-1 体幹や臓器を支え、自由に動くために骨盤は4方向に動きます。

骨盤は左右の蝶のようにひらいた骨(寛骨と言います)が仙腸関節として接して構成されています。寛骨は上から腸骨+坐骨+恥骨の3つに分けられます、ただし生まれてから成長期は軟骨結合している別々の骨ですが大人になると融合して一つの骨になります。

骨盤(寛骨)は男性と女性では形が違います。男性の骨盤は縦長です、女性は横幅が広い形をしています。

骨盤(男性、女性)

  • 体幹を支える脊柱と体幹を下支えする骨盤は腰仙関節(腰椎と仙骨をつなぐ関節)だけで繋がっているので不安定とも言えます。
  • 股関節は引き締まると自在に動くの相反する事を求められます。
  • 坐骨は座るときに体幹を下支えします。

骨盤

2-2 骨盤の役割で大切なこと。

骨盤と仙腸関節

骨盤は体重を支え、また地面からの反作用を相殺するという役目があります。頭など上半身の重さは、脊柱を伝わって骨盤のアーチ状の構造を伝わり両方の脚に分散されていきます。作用・反作用の法則により、大地からの反作用を骨盤の輪環状の構造で左右の反対方向の力で相殺しています。

ややこしいですが要は体重と地面からの反作用を骨盤が上手に分散しています。

2-3 骨盤力の応用 > 骨盤で立つという事。

骨盤で立つことは骨盤を4方向に動かしてみると分かりやすいかと思います。

  • 骨盤の前傾はお尻を突き出す形。
  • 骨盤の後傾はお腹が潰れる形。
  • 骨盤の側方傾斜は骨盤力をつかって片側を持ち上げる形。
  • 骨盤の水平回線は股関節を使って腰を回転させる動きです。

何れにしても骨盤力が安定していないと動きにくいものです。

骨盤4方向の動き

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3骨盤を細かく見てみよう

3-1 股関節が寛骨臼にはまり込んでいる図です。

骨盤

股関節は球関節でカッポリとはまり込んでいる為、脱臼しにくい構造になっていますが可動域は制限されることになります。更にヒザを曲げると大腿部の筋肉の緊張が緩むので股関節の運動範囲は約2倍に増えます。

股関節

骨盤と股関節

股関節は凹側の寛骨臼と凸側の大腿骨の骨頭から構成されます、寛骨臼は水平線に約42度の角度を持って外側、やや下方に向かって開いています。

股関節は外れると大変ですから(他の関節も外れると大変だけど)はまり具合がより深く、骨頭の2/3がはまり込んでいます。隙間が狭くなっている為血管の分布を制限することになりお年寄りに大腿骨頸部骨折が起きやすい原因の一つと考えられています。

骨盤力の応用。

前章でも書きましたが股関節の可動域の制限は姿勢によって変化します。骨盤力は姿勢の土台とも言える部分なので姿勢の変化 > 股関節の動きの制限は骨盤力に影響を与えます。

股関節を繋いでいる靭帯を前から見た図です。

骨盤と股関節

関節包の外面に接して前後を補強する3つの靭帯が繋いでいます。これらの靭帯は球関節を強化する為に存在しますが可動域を制限することになります。特に脚を横方向に動かす(脚の外転)と後方への動き(足の伸展)を制限してます。

3-2 仙腸関節

骨盤と仙腸関節

仙腸関節は仙骨と寛骨で構成され極めて可動域の少ない不動関節です、その動きは男性が1mm、女性が2~5mmと言われています。

通常の関節と同じように関節包があり、関節包は複数の靭帯で補強されています。仙腸関節は腸骨が覆いかぶさり、それを支持している靭帯で覆われているので直接触診することは出来ません。関節の中心はS2レベル上後腸骨棘を結んだ線上にあります。仙腸関節の上端は腰椎4と5番の棘突起間にあります。

仙腸関節の役割ですごいなっ!と思うことは、脊柱と骨盤・下肢との間の連結点として上下から掛かる力を吸収する能力を持ちながらも、体重を支持するという強靭性を併せ持っていることです。

この異なる能力を仙腸関節は滑液に浮いた状態の関節面と下方の関節面(強力な靭帯で連結された面)でそれぞれ異なる機能をもたせてあります。わずかしか動かない関節なのに奥が深いですね。

骨盤力の応用。

骨盤力は正しい姿勢の土台です。その土台は仙腸関節で上下から掛かる力を吸収する能力を持つ。体重を支持する。という強靭性を併せ持っています。これがある事で体幹(上半身)を自在に安定して動かす事が出来ます。たとえばイラストのような動きです。

体幹の側屈 > 股関節が動きの支点となりつつ仙腸関節が上半身の重さを股関節経由で足に逃しています。

体幹の側屈、首の側屈

3-3 仙腸関節と腰仙関節。

仙腸関節と腰仙関節

仙腸関節と腰仙関節の役割は歩行時に下半身の揺れを和らげる役目があります。

歩くときに寛骨は上下、前後に動くジャイロ運動を行い、この揺れを仙骨が反対方向に回転しようとして寛骨の揺れを打ち消そうとします。更に打ち消されない揺れは、腰椎5番と仙骨の関節、腰仙関節で相殺されます。

このことによって骨盤のジャイロ運動の動きがあっても脊柱は常に進行方向を向くことが出来ます。

ややこしいですが上体が揺れずにまっすぐ歩けるって事ですね。

骨盤力で歩く

骨盤力の応用。

骨盤力があるとは下丹田が姿勢反射で心地よく引き締まっていることで、その下丹田は腰仙関節の部分にあります。イラストでもわかる通り背骨の一番下の腰椎5番と仙骨をつなぐのが腰仙関節は上半身の重さを支え、しかも動きの範囲も大きいのです。

そのためにも下丹田が引き締まることは大切です。腰痛がこの付近に一番出やすいのはそのような理由もあるのかも知れませんね。

背骨、脊柱

3-4 恥骨結合

恥骨結合

左右の寛骨を連結した部分です。半関節に分類され動きは小さく圧迫、分離・上下・前後にかかるストレスを弾力を使って伸縮吸収しています。

骨盤力の応用。

足のむくみ、冷え性、生理痛、O脚、腰痛、外反母趾など足腰にまつわるトラブルを持っている方は、内転筋に強い痛みを抱えていることがとても多いです。

この内転筋の痛みをもっている方は、上向きで寝たときに痛みのある側の恥骨が床側に下がっている場合がとても多いです。そのために恥骨を少し持ち上げてやると内転筋の痛みは引きますが詳しい因果関係は不明です。

内転筋のストレッチ

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4股関節6方向の動き

股関節は大腿骨の先端がボール状で骨盤の寛骨臼にはまり込んでいます。脱臼を防ぐために強力な靭帯で結びついていますが動きの滑らかさを犠牲にしないために大腿骨のボール部分(大腿骨頭)は軟骨で覆われアイススケートよりも低い摩擦係数でよく動ける工夫があります。

股関節6方向の動き

4-1 股関節の外転。

大腿骨が正中線から外側へまっすぐ離れる動き。0度〜45度の可動域。中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋、大臀筋がよく働きます。

4-2 股関節の内転。

大腿骨が外転位から正中線へ向かう動き。0度〜30度の可動域。大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋がよく働きます。

4-3 股関節の屈曲。

大腿骨が骨盤に向かってまっすぐ前方に向かう動き。0度〜130度の可動域。腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)、大腿直筋、縫工筋がよく働きます。

4-4 股関節の伸展。

大腿骨がまっすぐ後方に骨盤から離れていく動き。0度〜30度の可動域。大臀筋、ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)がよく働きます。

4-5 股関節の外旋。

足の親指を内側から外側に向くように捻りつつ脚全体で外側に向ける動き。0度〜50度の可動域。
深層外旋六筋(外閉鎖筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、梨状筋、大腿方形筋)、大臀筋臀筋がよく働きます。

4-6 股関節の内旋。

外旋の反対の動きで小臀筋、大腿筋膜張筋がよく働きます。0度〜45度の可動域。小臀筋、大腿筋膜張筋がよく働きます。

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5骨盤力で股関節と骨盤を動かす

5-1 下イラストの動きは骨盤力を実感しやすいです。

膝を伸ばして下丹田を中心に立ち > 鼻から息を吸ってお腹を膨らませ > 口から息を大きく深く吐きながら脚を動かします。>ゆっくりと可動域全域を動かします。

股関節の外転と伸展

5-2 骨盤力の応用。股関節を6方向に動かしたら骨盤を動かそう。

膝を伸ばして下丹田を中心に立つ > 頭を動かさないように片側の骨盤を持ち上げる。 > 左右繰り返し歩いてみる。

膝を曲げないで歩いてみることで骨盤の二つの動き、骨盤の側方傾斜と水平回旋を理解する事が出来ます。

骨盤だけで歩く

5-3 骨盤力の応用。骨盤の側方傾斜と水平回旋で歩いてみよう。

骨盤の2つの動きを、歩き方に取り入れてみましょう。下イラストのように後ろ足で地面を蹴ったら骨盤は側方傾斜です。膝を曲げないで骨盤の片側を持ち上げる練習が活きてきます。

持ち上げた脚を前に移動させるのが骨盤の水平回旋です。膝を曲げないで歩く練習が活きてきます。

骨盤の側方傾斜と水平回旋

5-4 骨盤力の応用。足音を消して歩く。

足音を消して歩くことを意識してみましょう。骨盤を使う集大成のようなものにつながります。

歩く時の足音

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6骨盤と骨盤力。まとめ

20年の整体活動で姿勢の悪い人は結果が出ないし出ても長続きしないという現実がありました。そして周りを見てみると姿勢の悪い人はとても多く、しかも猫背など悪い姿勢はなかなか治らない現実です。

なぜ猫背は治らないのかをずっと調べていくうちに姿勢の悪い人はもちろん、肩こり、腰痛、ひざ痛、冷え性その他なんとなく調子が悪い人たちは足腰に力が入っていないことを発見しました。これが骨盤力の始まりです。

なぜ足腰に力が入らなくなるのか? さらに何かの拍子に足腰に力が回復したりしてこの理由も当初はさっぱり分かりませんでした。しかし骨盤のことも含め多くの勉強と経験を通してなぜ足腰に力が入らなくなるのか、逆に力が回復するのかのメカニズムはほぼ解明しつつあります。そのきっかけとなったのがテコの原理と二足歩行の進化の歴史です。

その全容は全てこちらに詳しく掲載してあります。骨盤力の興味のある方はぜひご覧ください。

矢印

なぜ足腰に力が入らなくなるの? なぜ瞬時に足腰に力が回復するの?

発見の糸口は小学校で学ぶ「テコの原理」と「二足歩行の進化の歴史」です。骨盤力の全容を詳しく紹介>>>

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骨盤力

骨盤力の開発者、松乃わなり骨盤力「公式」ガイド監修
骨盤力スクール(東京,札幌,福岡)最高責任者 / 松乃わなり

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